2015年10月1日木曜日

僕の勝手な経済学

今日は会社の顧問税理士さんと会う約束で色々とお話をした後、最近他の会社を回られていて景気は良さそうですか?と聞いてみました。

するとお金は余ってるようだがそれを投入して商売に繋げる先がなかなかない、結局てっとり早く運用できる不動産や証券などへの投資でお金をまわしている所が多いようだ、との話でした。

なぜこんな時代になったのか考えてみると、一言でいえば世の中が豊かになった結果なのではないかと思います。
ちっとも豊かと感じない、という人もいるかもしれませんが、経済がまだ発展途上だった昭和初期や戦争の時などの物が不足し様々なものが整備されていない頃と比べると、日本も世界中の国々もずいぶん豊かになったのは間違いないと思います。

豊かではなかったそのような時代は物やサービスが不足し、頭をひねって難しい商売を考えつかなくても日々商売の種がころがっていて、モノを作ればちゃんと売れ、お金が実体経済の中で循環していたと思います。

社会が成熟しある程度平和になり、色んなものが整備されてくると、世界中が安定する一方、かつてのような需要は減り始め、供給過多が始まりました。例えば車は、当初所有する事が夢だった時代から一家に2台、3台所有することが珍しくない時代に変貌しました。携帯電話も同じです。そしてパソコンやスマートフォンといった次世代のヒット商品もすぐに普及し、価格は下がり売れなくなってしまいます。

最近中国の景気鈍化が懸念されています。世界一の消費大国もとうとう経済発展に陰りが見え始めました。先進国の企業は第2第3の中国を探してアジアやアフリカの、これから発展することが見込まれる国を探し新たな投資先としてそこで商売を始めますが、いずれは日本や中国と同じように豊かになり、その国の需要は減り供給過多となります。

そうやってだんだん良い商売ができる所が限定されてくる上にグローバル化が更に進み世界中の企業間で競争が激しくなります。また、物が更にあふれますます価格は上がらずインターネットの普及も手伝い自社のサービスを選んでもらえる確率は落ちていきます。

そのような悪循環の中で何とか自国の景気を良くするために世界中の国で行われているのが金融緩和なんだと思います。自国通貨は値下がりするため世界中に輸出して商売を行うには有利になります。しかし他国も同じように自国通貨の価値を下げてくるので結局安値競争となります。

お金をどんどん刷りマネーをジャブジャブに流す事で世の中にお金が溢れます。しかし税理士さんのお話の通り、お金を設備に投資して商売をしたくても需要が減っているため、お金でお金を増やす投資に資金をまわします。みんなが同じように資金を投資につぎ込むので、証券や不動産は実態に関わりなく値段が上昇しバブルになります。しかし上昇には限界があり、もうそれ以上の金額を払ってそこに投資する人がいなくなるレベルまでくると、投資しても儲からないから資金をそこから引き上げる動きが始まりバブルが崩壊します。

この一連の流れでは、物の値段が供給過多により下がりデフレ要素となります。一方で通貨は過剰に刷られるため価値が下がりインフレ要素となります。そして証券や不動産などの資産だけが値上がりしインフレ要素となります。バブル崩壊後は資産価値が急落しそこに投入されていたマネーは物からお金に換金されますが、相変わらず設備投資する先は無く、投資で損を出す個人・企業が増えるため物もサービスも売れず、ますます商売は難しくなります。
需要が極端に減るのにマネーは世界中に余る。その後はどうなるんでしょう?きっとスーパーインフレが起こるんだと思います。物もあまりお金もあまる、物の価値は上がらずむしろ下がるが貨幣価値はもっともっと下がりインフレになる?


別に経済を勉強しているわけではないので、全くの想像ですが、これが僕の頭の中にある、

「勝手な経済学」 です。