2016年7月17日日曜日

住宅を活用して収益をあげる。#5

住宅を活用して収益をあげる方法の続きを考える前に、今回は少しテーマを広げ、ビジネスについて普通の視点と違う見方で捉えてみようと思います。

ビジネスの解釈は様々有ると思いますが、一つ言える事は

ビジネスは利益を生み出す行為である

という事です。利益を生まない行為はビジネスとは一般的には呼べず、ボランティア、趣味などという表現になるのではないでしょうか。
個人経営にしても企業経営にしても、ビジネスを行う目的は利益を生む事だと思います。

一方、「投資」とは何でしょうか?
Wikipediaで調べると、

将来的に資本(生産能力)を増加させるために、現在の資本を投じる活動を指す

とあります。両者には微妙なニュアンスの違いがあります。前者は何か商売をして利益を生み出す行為、後者はその利益を運用によって資金を増やす行為、という印象を受ける人は多いのではないでしょうか。

投資と聞いて真っ先に思い浮かぶのは株式投資だと思います。しかし一方で、企業が将来売上、利益を増やすために行う設備投資という言葉も耳にしますね。

私は企業の経営者ですが、投資家でもあります。経営者として自分の企業を経営するためにビジネスの方法を考え、必要な設備投資を行うと同時に、投資家としては株式投資に値する企業はどんな企業か、どんなビジネスをしていて将来のためにどんな人材を集めどんな設備投資を行っているか、を調べたりします。

企業活動によって利益を出すためには景気や社会情勢の変化に対応しながらビジネスの内容を柔軟に変化させる必要があります。先見の明を持ってニーズを先取り設備投資を行い、技術革新や新商品の開発をする必要があります。

時代によって利益を生む業種は変化します。昨今話題のシャープのように、良い時代もあった大企業も、時代が変われば大きく業績を下げたりします。

自分が携わっている業種だけで利益を上げていけば良かった時代は過ぎ、多様化したニーズ、変化に即座に対応しなければ直ぐに時代に取り残されてしまう時代に突入しつつあります。
また経済のグローバル化によって、地球の裏側で起こった出来事から瞬時に影響を受けたりします。

そのように、

時代に自分のビジネスを適応させる事が、時代の変化のスピードの急激な加速によって、今後ますます困難になりつつあるように感じます。

むしろその時々に将来性のある分野に設備投資をしている有望な企業を慎重に選定しその会社に投資する方が成功する可能性が高いのではないか。と感じざるを得ません。

ビジネスを行う事と投資を行う事には違いもあるが共通性もあります。
経営者は経営判断し、将来の利益のために設備投資をしてビジネスを行い利益を上げる、投資家は自分でビジネスをするかわりに、自分よりもっとビジネスセンスがある経営者が経営する、将来性があり今この瞬間にマッチするビジネスを行っている企業に投資し利益を得る。

話を戻しますが、自宅でビジネスを展開する、という事を考えた場合、

自分自身のビジネスによって収益を上げる

という選択肢と、

有望なビジネスモデルにより利益を出すと思う企業に投資して収益を上げる

という選択肢の2つが考えられます。

もし、自分のビジネスとして後者を選択する場合、そのビジネスは完全に住宅において実行可能になります。

ただし、株式投資における企業の評価は、企業本来の価値以外に、マーケットの需給や、チャートと呼ばれる株価の変動履歴を示すグラフのテクニカルな要因など、外的理由で不当に評価される事があり不安定な面があります。
(不安定なのは企業を経営しても同じかもしれませんが。)
ですから最新の経済情報の収集や投資技術の習得が必要で、それらは正に、企業経営と同等かそれ以上の難しさを伴います。
そういう意味で投資に偏るべきではなく、複数の収入源を確保する事が大切になります。

次回はテーマを変え、
これからの時代を読む
について書きます。

2016年4月23日土曜日

住宅を活用して収益をあげる。#4

前回は住宅を収益化するための2つ目の方法、住宅でビジネスを展開する事について書きました。

住宅の一部を店舗にして物を売るという事と、オフィスとして使い自分が勤める会社の仕事を行う事の間には違いがあります。

前者は自分自身が行うビジネスにより直接的に収益を得ています。
この種類のビジネスは他に、英会話や音楽、学習などの習い事を教える教室などが考えられます。

一方後者は、勤める企業が行うビジネスにより間接的に収益を得ています。
この種類のビジネスとして、最近は企業が様々な仕事をアウトソーシングし、在宅勤務で報酬を支払うシステムが普及しつつあり、自宅で作業した分の報酬を得るという選択肢が生まれており、欧米では先行して普及し始めています。

インターネット社会の現代では収益を上げるだけで良いなら上記以外にネットを活用した収益方法が沢山あります。本の紹介文を書いて報酬を得られるサイト、専門知識を生かし企業にアドバイスをして報酬を得られるサイト、写真のネット販売サイトなどなど沢山の収益方法が増えています。

更にブログなどに広告を掲載して収入を得られるアフィリエイトやyoutubeにより収入を得る方法もあります。
これらの方法で得た収益だけで生計を立てる事を推奨する気にはなりませんが、家に居ながら収益を得る方法が昔では考えられないくらい沢山ある時代になった事は間違いないと思います。

その他、最近問題になっている待機児童を預かる、非認定の保育所なども、立地によっては可能な在宅ビジネスと考えられます。

住むためだけが目的の住宅をこのように様々な方法の中から収益を生む住宅に変われば住宅に対する考え方や作り方が変わってくると思います。

選択するビジネスによっては、街中である必要性がない場合もあり、郊外の安く手に入る土地に収益を生む事が可能なシステムを持つ住宅を新築したり中古物件をリフォームして住みながらビジネスを行えば、イニシャルコストもランニングコストも抑えられ効率よく生活ができます。

高齢化が進む日本では特に、現在増えている宅配サービスがもっと浸透し、郊外でもサービスに困る事がない時代が来つつある事を感じます。

そのような未来像については別の機会に書こうと思います。

次回はビジネス自体について少し掘り下げて考えてみようと思います。








住宅を活用して収益をあげる。#3

前回は、住宅を収益化する1つ目の方法について書きました。
今回はその2つ目についてです。

・自宅でビジネスを展開する。

住宅の一部をオフィスとして使う
住宅の一部を店舗として使う

このような事は大昔から行われていました。いわゆる自営業というスタイルです。

この従来スタイルの前提は、街中の立地が良い土地で集客が見込める事です。そうではない場合、特に店舗は収益が見込めませんでした。

しかし現在は、物や情報をインターネットで買う時代になり、やり方を工夫すれば、立地の重要性は低下します。物を売るために集客を期待できる街中に高い賃料を払って店舗を構える事は必須ではなくなりました。

またデジタル化、クラウド技術の発展、インターネットのスピード向上などによって、仕事をオフィスに行って行う必然性がなくなりつつあります。スカイプをはじめ安価でリアルタイムにコミュニケーションを取る方法も確立されつつあります。

企業にとってオフィスの家賃が経費に占める割合はかなりのものになります。職種にもよりますが経費節減をする場合、家賃、人件費以外の内容で大幅な削減は困難な場合がほとんどだと思われます。
景気には波があり経営者は悪い波が訪れる度に経費節減に迫られますが、上記の理由で結局賃金カットやリストラなど人件費で調整する事を強いられます。

しかし必要最低限の広さのオフィスを利便性の良い立地に構え、従業員の労働の為のスペースを従業員の住宅でまかなえたとしたら、大幅な節減効果が期待できます。

経費がうんと下がれば従業員に払う給与と会社に蓄えるための売上げは少なくて済みます。同じ利益を上げる為の、従業員にかかる負担は減り余暇を増やす事ができます。

経営効率が上がり、そこで働く人々の余暇が生まれれば、浮いた時間で今まで出来なかった生涯学習などの自分への投資、家族とのコミュニケーション、旅行などが可能になります。

次回はこの続きとして、
自宅で行う事が可能なビジネス
について書きます。





住宅を活用して収益をあげる。#2

今回は家を収益化するために具体的にどのような方法があるかについて書きます。
まず、私が既に実際に行っている事、近い将来行おうとしている事からです。

家の収益化、の意味には2種類あると思っています。
1つ目は家、土地の一部を収益が上がるよう役割を持たせるという方法です。
誰か必要な相手に貸して賃料を取るという従来からあるモデルになります。

・余っている部屋・土地をレンタル
Airbnbなどサイトを利用し宿泊料を取る
倉庫や書庫として貸し賃料を取る
駐車場として敷地を貸し賃料を取る

これらは既に実践済みの内容です。
書庫についは自分が勤めている会社に貸しています。会社は経費が削減でき貸している私には賃料が入ってきます。
余談ですが駐車については更に自家用車を、使っていない時間シェアするという方法もあり、そのようなサービスの提供者をエリアごとに募集しているサイトもあります。

また、将来考えられる方法として、
敷地に自動販売機を業者に置かせる
という方法もあります。また広い部屋があれば、地域の会合のためにスペースを貸し出す、セミナー会場やスタジオ、アトリエとして貸し出すという方法もあるでしょう。

もし初めから収益があげられる家として設計していたなら家の一部を住宅や店舗として貸す、といった事も可能です。
それを更に発展させたものが賃貸マンションやアパートを建てその一室に自分が住む、という事になるのですが初期費用がかさみます。融資で建てた場合、空室のリスクがありますしメンテナンス費用、固定資産税もかかるので誰もが気軽に、とは言えない範囲になってきます。

レンタル以外に
家の敷地で生産した物を売る事によって収益を上げる
事も考えられます。

例えば太陽光発電による売電などがこれにあたります。広くて環境の良い土地なら農作物や果物を育て販売できる場合もあります。うちのご近所さんの中には竹藪でタケノコが採れるお家もあります。

庭は造園を行い眺める庭にする場合が多いですが、家庭菜園を作ったり実の成る木を植えて収穫を楽しむのも面白いものです。我が家には杏子、蜜柑、葡萄、ビワ、イチジクなどの果樹を植えています。

家の周りに効率良く手間がかからない畑や果樹園をデザインする方法として有名なパーマカルチャーというオーストラリアで考えられた手法があり、参考になります。お風呂の排水を畑の水路に流したり、コンパニオンプランツという考え方や、鶏、カエルなど他の生物による共存によって様々な食べ物が自然にできるよう生態系をデザインする手法です。

作物を売るまでしなくても食卓に上がるおかずにできればその分収入は少なくて済みます。そういう意味では魚釣りで採った魚を食すのも家計の助けになるかもしれませんね。

次回は家を収益化するための、2つ目の方法について書きます。



住宅を活用して収益をあげる。#1

私はここ数年、理想のライフスタイル、働き方を手に入れるために様々な取り組みを行っています。

私の理想は、家に居ながら働く。言い換えれば「家で生まれた収益で暮らす生活」です。

今までサラリーマンとして20年以上働いてきましたがその間のITによる技術革新はめざましく、時代が大きく変化しました。そして今や、会社に勤め給料を得る、という従来の働き方以外に様々な選択肢が生まれました。

私の仕事は建築の設計です。今、この仕事は(この仕事以外も)、PC1台とネット環境さえあれば、世界中どこにいてもできる時代です。

振り返ると、そもそもこの仕事を選んだのは愛着の持てる住宅に住むことへの憧れが根底にあったと思えます。私の父は銀行マンで数年に1度転勤があり、家族の住まいは良質とは言い難い社宅、常に仮住まいでした。ですからどこかに定住し自分が思うがままに住まい、そこを拠点に近所付き合いをしたり友人と交流したいという想いが子供の頃から心の中にありました。
私は小さな頃から絵を見る・描く事、音楽を聴く・演奏する事など、堅苦しく言えば芸術分野に興味がありました。建築の設計はどこかそれらに通ずる所があるように感じます。
よって、建築に対しては美的なものを1つの大きな要素として求めます。
このようなバックグラウンドから私が設計した自分のための住宅は結果的にやはりそれら
(家族や友人との交流、芸術活動、美的要素)を重視した建物になっています。

しかし住み始めて数年経つと住宅を建てた事により家計の状況が変化しました。
住宅関連の支出は家計の多くを占めます。自分が求める生活を得る代わりにその生活を維持するための収入が長期にわたって必要になります。その収入を得続けるためには労働が必要となり限られた自分の時間と労力をとられます。しかしそれではせっかく理想の生活のための住宅を建てた意味が薄れてしまいます。

そこでサラリーマンであれば、ベースアップが必要になります。もしそれが叶わないのであれば副業で別の財布を持つか、自分のスキルを上げ自分の要求に応えてくれる企業に移るか、自分で起業し稼ぐ事になります。
これが一般解だと想いますが、私はそのどれもに違和感を感じてしまいます。
漠然と、「どれも何だかしんどそう...。」と直感的に感じるのです。

生活するための収入を、時間・労力を取られ過ぎず、ストレスなく得る働き方

を考えているうちに、問題となっている家自体が収益を生んでくれたら良いのではないか、と思うようになりました。そうすれば住宅のために元々かかる費用は、収益を上げるための必要経費と捉える事ができます。通勤にかかっていた時間もお金も節約できます。
そこで家をどのように活用できるか考えてみる事にしました。

次回は私が既に実践している、その活用方法について書こうと思います。

ではまた。