2015年12月12日土曜日

姫路がいい感じ。商店街再考。

昨日姫路にこれから建設する分譲共同住宅の安全祈願祭のため姫路駅から商店街を抜け、姫路では一番格が高いと思われる射楯兵主(いたてひょうず)神社に行ってきました。
https://goo.gl/maps/DWbtEK44Pjy

いつも姫路駅から徒歩で移動する時は姫路城が正面に見える大手前通りを行くのですが、あいにくの雨だったので、濡れずに行けるみゆき通りという商店街を歩いてみました。


最近、姫路駅と駅前は再開発でとても綺麗になりました。駅は想像するよりずっと人が多く、
何だか活気があります。



駅から商店街へは駅ビルのピロティーやガラス屋根の渡り廊下で繋がっています。
晴れている日はあまり意識しませんでしたが雨天時には、誰かがちゃんと考えてるんだな、と気付かされます。




商店街は最近人が来ない、お店が流行らない、と言われていますが姫路の商店街は全然違うやん、と感じます。メインの通りを中心に網目状に通りが交差し、様々な小さなお店が賑わっています。
道幅が広くても5mくらいと、広過ぎず道の両側のお店を行ったり来たりしやすく、かつ人ゴミで歩きにくいと感じない丁度いい感じです。

商店街にありがちな、古臭い、やる気のない雰囲気のお店が無く、若い人も利用できるお店が並んでいます。また露地には食べ物屋やカフェなど楽しそうな空間があちこちに潜んでいて飽きさせません。

シャッター通りと嘆いている商店街は是非参考にしてはどうかと思います。

ところで最近、駅のホームに昔よくあった立ち食い蕎麦屋さんが消えていってるなと感じていたのですが、姫路駅にはまだあります。


値段は高め?に感じましたが、味はまずまずでした。忙しいサラリーマンにとってはありがたい、ホームの蕎麦屋さん、消えて欲しくないなぁ。

おしまい。




2015年11月26日木曜日

整理整頓について。

僕は割と整理整頓するのが好きな方です。学生の頃から、掃除していないのは我慢できても散らかっているのは嫌なタイプでした。普段から、特に勉強や仕事に取り掛かる時は尚、ささっと片付けるタイプです。

先日事務所を移転したのですが、要らないものを捨て、あちこちに散らばっていた文房具や道具類が出てくると分類し直して新事務所で整理整頓したらとても仕事がしやすくなりました。

僕の父は銀行マンでしょっちゅう転勤があり家族はいつも仮住まいの社宅を転々として来たので家の中はいつも取り敢えず住める程度に片付け、使わない物は次の引越しまでダンボールに入ったままという暮らしでした。

自分の家を設計し住んでみて一番嬉しい事は、色々な物を収納する場所が予め決まっている事です。それまでは収納スペースが足りず、ジャンルが違う物を同じ場所に同居させざるを得ない状況でしたが、今は殆どの物がジャンルごとに決められた場所に収まっています。

それでもジャンル分けしづらい物や細かい物がどうしても収まる場所を限定できていないせいで部屋が散らかってきます。例えば文房具。色んな所にハサミなどの収納場所が動くので探すのに手間取ったりします。またキッチン用品、洗濯用品、掃除用品などは分類のルールが曖昧で片付ける度にどこにしまおうか迷ったりします。

そこで今、家の中にあるあらゆる物を収納する場所が分かるようにデータベースを作っています。
家の中の一つ一つの物をどこにしまうか、間取りや収納の種類場所に関連付け、片付ける時に迷わないようにします。また反対に片付けた物を探す時には、PCで検索すればパッと収納場所が表示されるようにします。

図面も物のリストも一つのExcelデータにして、暮らしながら変化があれば編集し簡単に対応できるように作っています。また今後、仕事で新しく住宅を設計する時に予め物の収納場所を漏れなく用意するためのツールにもなるよう考えています。
設計の時に作ったその家オリジナルのデータベースをお施主さんにプレゼントしてあげてもいいなと思います。
また、今お住いの家を入力し、収納場所を再編成して暮らしやすくするサービスも提供できると思います。

このツールが完成きたら、このブログにアップしようと考えています。




2015年11月1日日曜日

音楽のための建築

今、プロポーザルのための提案書作りを行っています。計画する建物には市民が使える多目的ホールが含まれています。

私は中学の頃から楽器の演奏が趣味になり、その関係で大学で建築を学び専門は建築音響を選択しました。卒業設計では本格的なコンサートホールと山の地形なりに等高線に沿ってステージと座席を設けた屋外音楽広場を設計しました。

就職の際、ゼミの教授が音響を担当している鹿児島のホールが大学卒業と同時にオープンするという事でスタッフを募集していて、そこで音響担当として働くか、設計事務所で音楽のための建築を設計するか迷いました。

まず、鹿児島のホールの地鎮祭に出席し関係者からお話を聞きました。地鎮祭にはホールを設計した有名建築家の槇文彦さんも出席されていました。

関係者の話では当面音響担当として働いた後はどこに配属されるか分からないとの事でそこがどうもひっかかりました。

同時に設計事務所に就職する道も検討しました。調べるとコンサートホールを設計する事に特化した事務所は限られていて、東京に行きそれらの設計事務所をまわってみました。この時九州でお会いした槇文彦さんの建物も見てまわりました。
結局この就職活動の結果は出ず採用はされませんでした。

悩んだ挙句、とにかく初めはどこでもいいから設計の仕事に就き実績を積もうという事になり大学に募集が来ていた建設会社の設計部に就職し5年勤めた後現在の設計事務所に移りました。

今まで100近い建物の設計を行ってきました。しかしコンサートホールなど公共の音楽のための建築について、計画する機会は何度かありましたが実現化されたものはまだありません。もし今回の計画が選ばれたら初めて念願のチャンスが到来する事になります。

プロポーザルチームのミーティングで多目的ホールのモデルにスパイラルホールがあがり驚きました。槇文彦さんの作品です。スパイラルは東京で就職活動を行っている際見た建物の一つでした。正直当時の私にはこの建物のどこがそんなに良いのか理解できませんでした。
http://www.spiral.co.jp/s_rental/download/hall_drawing.pdf
http://www.spiral.co.jp

今回調べるとその建物に入っているホールは可変式で多目的に使え、音響も電気音響で可変という日本では数少ないホールだという事がわかりました。

音楽やイベントなど多目的に使えるホールで成功している事例はまだあまりありません。私自身も音楽を奏でる空間がメカニカルな構造になっている事に違和感を感じています。

しかし今回の取り組みで自分の中にあるその違和感を打破できるような答えを見つけ提案できたら素晴らしい機会になると思い挑戦してみようと思います。



2015年10月1日木曜日

僕の勝手な経済学

今日は会社の顧問税理士さんと会う約束で色々とお話をした後、最近他の会社を回られていて景気は良さそうですか?と聞いてみました。

するとお金は余ってるようだがそれを投入して商売に繋げる先がなかなかない、結局てっとり早く運用できる不動産や証券などへの投資でお金をまわしている所が多いようだ、との話でした。

なぜこんな時代になったのか考えてみると、一言でいえば世の中が豊かになった結果なのではないかと思います。
ちっとも豊かと感じない、という人もいるかもしれませんが、経済がまだ発展途上だった昭和初期や戦争の時などの物が不足し様々なものが整備されていない頃と比べると、日本も世界中の国々もずいぶん豊かになったのは間違いないと思います。

豊かではなかったそのような時代は物やサービスが不足し、頭をひねって難しい商売を考えつかなくても日々商売の種がころがっていて、モノを作ればちゃんと売れ、お金が実体経済の中で循環していたと思います。

社会が成熟しある程度平和になり、色んなものが整備されてくると、世界中が安定する一方、かつてのような需要は減り始め、供給過多が始まりました。例えば車は、当初所有する事が夢だった時代から一家に2台、3台所有することが珍しくない時代に変貌しました。携帯電話も同じです。そしてパソコンやスマートフォンといった次世代のヒット商品もすぐに普及し、価格は下がり売れなくなってしまいます。

最近中国の景気鈍化が懸念されています。世界一の消費大国もとうとう経済発展に陰りが見え始めました。先進国の企業は第2第3の中国を探してアジアやアフリカの、これから発展することが見込まれる国を探し新たな投資先としてそこで商売を始めますが、いずれは日本や中国と同じように豊かになり、その国の需要は減り供給過多となります。

そうやってだんだん良い商売ができる所が限定されてくる上にグローバル化が更に進み世界中の企業間で競争が激しくなります。また、物が更にあふれますます価格は上がらずインターネットの普及も手伝い自社のサービスを選んでもらえる確率は落ちていきます。

そのような悪循環の中で何とか自国の景気を良くするために世界中の国で行われているのが金融緩和なんだと思います。自国通貨は値下がりするため世界中に輸出して商売を行うには有利になります。しかし他国も同じように自国通貨の価値を下げてくるので結局安値競争となります。

お金をどんどん刷りマネーをジャブジャブに流す事で世の中にお金が溢れます。しかし税理士さんのお話の通り、お金を設備に投資して商売をしたくても需要が減っているため、お金でお金を増やす投資に資金をまわします。みんなが同じように資金を投資につぎ込むので、証券や不動産は実態に関わりなく値段が上昇しバブルになります。しかし上昇には限界があり、もうそれ以上の金額を払ってそこに投資する人がいなくなるレベルまでくると、投資しても儲からないから資金をそこから引き上げる動きが始まりバブルが崩壊します。

この一連の流れでは、物の値段が供給過多により下がりデフレ要素となります。一方で通貨は過剰に刷られるため価値が下がりインフレ要素となります。そして証券や不動産などの資産だけが値上がりしインフレ要素となります。バブル崩壊後は資産価値が急落しそこに投入されていたマネーは物からお金に換金されますが、相変わらず設備投資する先は無く、投資で損を出す個人・企業が増えるため物もサービスも売れず、ますます商売は難しくなります。
需要が極端に減るのにマネーは世界中に余る。その後はどうなるんでしょう?きっとスーパーインフレが起こるんだと思います。物もあまりお金もあまる、物の価値は上がらずむしろ下がるが貨幣価値はもっともっと下がりインフレになる?


別に経済を勉強しているわけではないので、全くの想像ですが、これが僕の頭の中にある、

「勝手な経済学」 です。




2015年8月17日月曜日

フランスからのお客様

お盆休み中にフランスからのゲストを迎えていました。映像関係の仕事をしている有能な旦那さんと、滝川クリステルに少し似ている美しいファッションデザイナーの奥さんでした。二人共日本の文化に興味を持っていて僕の家族と共に徳島で人形浄瑠璃と阿波踊りを見に行きました。
彼らはクリエイターですがコマーシャルベースで作品を作る事に対し疑問を持っていて自分が本当に良いと思う仕事をする事に拘り、作品創りを教育などに何とか繋げ生計を立てていると話してくれました。
売れる為、つまり金儲けの為に自分のポリシーを曲げたくないという気持ちには共感を覚えました。そしてやはりその考え方を貫きながら生活を成り立たせるために苦心している事も自分と共通していました。
僕も同じ事を感じ自分にとって大事な人の為に働こうとしている事、自分が良いと思う物を創り共感してくれる人に作品を譲りたいのだと話すと、その気持ちはよく分かると言ってくれました。
分野は違いますが同じ思想を持つ人に巡り会えた事は嬉しい事です。

I met a guest from France by the end of Bon vacation. It was the able master and the wife of the beautiful fashion designer who resembled Takikawa Teru Chris a little who did a picture-related work. I was interested in culture of two coJapan and went to see puppet ballad drama and Awa Folk Dance with my family in Tokushima.
They were creators, but they were concerned with doing work to have a question for making a work on the basis of commercials, and to think that oneself was really good and told you that I tied it to the work wound りを education somehow and made living.
I felt sympathy in a feeling to be popular that is not to want to change one's policy for money-making. And what I took pains over because life let you manage while after all carrying through the way of thinking was common with oneself.
I said that the feeling knew it well when I told you that I wanted to hand over a work to the person whom I made the thing which thought that thing, oneself who felt the same thing, and were going to work for an important person for oneself were good and sympathized with.
The fields are different, but it is a nice thing to have been able to come across a person with the same thought.

2015年7月25日土曜日

屋内で屋外のように過ごす。

今日のお昼はお好み焼きでした。
天気が良いので食事室の窓を全開にして食べました。蝉の大きな鳴き声が聞こえてきます。夏がやってきました。

この南向きの窓からは、夏でも森を抜けて涼しい風が入ってくるため、湿度の低い今日のような日はエアコンいらずです。

壁の一部をくり抜いた形の窓ではなく、壁一面を窓にすると外との関係が、より親密になり、テラスで食事しているような気分を味わえます。
うちの家のように2階でオープンなスペースを作る場合はガラスの手摺をつけると手摺が邪魔に感じないのでオープン感を得る事ができます。

2015年7月13日月曜日

個人のネットワークを活用する。#2次は友達の応援。

僕は今、高校の同級生である杉さんという友達の事業を立ち上げるお手伝いをしています。
事業の内容は、小規模保育事業所を作るというもので、簡単に言えば保育事業を始めるのです。

自分のお子さんを保育園に入れようと思った時、環境の悪い園しか見つからず、これでは子どもたちが可哀想だ、と思った事が事業を立ち上げるきっかけだったそうです。

杉さんとは高校時代、1年生の時同じクラスでした。卒業後僕は松山から神戸に移り、同時に家族は父の転勤で岡山に引っ越したため松山に帰る事はなくなりました。

数年前SNSで高校時代の友人と再び交流をするようになりました。と言っても杉さんとはあまり接点がありませんでしたが、僕が取り組んでいた保育園や幼稚園の設計の仕事について時々記事をアップしていたのを読んでいてくれていたようで、ある日メールで相談がある、と連絡が入りました。

暫くして趣味の陶芸の関係で姫路の方に出向くから帰りに神戸に寄るわ、という事になり卒業以来の再会を果たしました。杉さんの話を聞き、その志に共感しながら他方で経験の無い彼女が果たしてうまくやっていけるのか、心配にもなりました。

何度か話し合った結果、杉さんの意思は固く絶対に成功するのだという気合を確認したので、これはもう応援するしかないなという結論にいたりました。たまたま僕は神戸で同じ事業のための施設を設計し申請した経験があるので僕ができる範囲でサポートすることを申し出ました。

仕事では事業主と打合せを行い図面は部下に書かせていますが、今回は個人的付き合いで応援しているので仕事の効率を上げ時間を作り自分で書かなければなりません。やってみるとなかなか大変です。自宅を建てる時、毎日スケジュール帳とにらめっこをしながら毎晩夜中まで図面を書いた事を思い出しました。

不思議なものですが毎日、これを成し遂げるぞ、と目標を持ち少しづつでも良いからコツコツと目標に関する作業を積み重ねていくと、いつかそれが実現する日が訪れます。反対にそれをしなければ夢はいつまでたっても夢のままです。特に毎日目標への工程の進捗を確認し、隙間の時間を活用しながら日常の生活で日々を終わらせない事が大事だと思います。

杉さんのニーズは僕が今そうして行っている設計や申請の他にも、これから行う工事、そのための材料、建物が出来上がってから必要となる家具や電化製品、備品、カーテンなどのインテリア、スタッフに関する事、など本人もまだ把握できていない沢山の内容があります。

そのようなニーズを、設計について同級生の僕が手伝っているように、誰か杉さんの身近な人が親切に叶えてあげる事ができたら、結果的には色々なものやサービスを安く調達でき、心のこもった仕事によって、きっとこのプロジェクトが成功する可能性が高まるのではないか、と思っています。

2015年7月10日金曜日

ベルリンフィルハーモニーホール

ふと、僕にとって大事な事って何だったっけ?と思い、考えていたらこれが浮かびました。
僕は大学の頃、建築設計の道に進むか音楽や音響関係の道に進むか迷っていました。
その時ハンス・シャロン設計の、ブドウ畑のようだと人々に親しまれているこの素晴らしいコンサートホールを知り、どちらも選択できる事に気がつきました。
なのに長い間忘れてた…。
大事な事をまた忘れないようにする為にここにメモとして残しておこうと思います。

ところで今日ネットでこの建物を調べている時、こんなのを見つけました。

http://www.berliner-philharmoniker.de/en/philharmonie/virtual-tour/

なんとホールの内部を見渡せちゃうんです。もうビックリしました。
しかもこのベルリンフィルのサイト、アプリによるサービスもあり、このホールで行われた演奏が鮮明な映像と良い音で簡単に見れてしまうのです。早速ダウンロードして無料体験版をイヤホンで聞いて見ました。このホールでのコンサートを擬似体験できるし、演奏のレベルが高くすっかり気に入ってしまいました。
憧れていた音楽ホールがこんなに身近なものになっているとは。凄い時代だな‼︎


2015年6月7日日曜日

個人が持つネットワークについて

インターネット社会になり世界中の国や人と繋がれる時代になりました。つい最近まで芸能人や有名人しかメディアに登場しなかった時代はアッと言う間に変化し誰もが一瞬で情報発信でき、まるで人類皆タレントのようにネット上で自分をアピールしたりプロモーションしたりできるようになりました。経済はグローバル化し、情報や物、マネーが世界中を行き交います。地球の裏側で何かが起こると直ぐに世界中に影響が現れます。

そんな時代に自分や子どもの世代はどう生きていくべきか、ふと考えてしまう事がよくあります。というより考えずにはいられない、と言った方が正確かもしれません。

先日僕は25年振りに中学高校時代を過ごした場所に行くという、普通の人にはあまりない体験をしました。当時そこに住んでいたわけですが実家は卒業と同時に引っ越したので今は無く、同級生の自宅に泊めてもらいました。

久しぶりに帰ってくる奴がいる、と同級生が集まり、中には高校卒業以来初めて再開した仲間も沢山いました。

SNSを通して僕の最近の事を知っている人以外はお互い卒業後どうしていたのか全く知りません。
飲み会の席で隣に座った近藤君という友人もその一人でした。彼も僕も当時はサッカー部に所属し仲良くしていました。卒業以来というのに会った瞬間当時と変わらぬ関係で話ができ、同級生とは不思議なものだと感じました。

彼が僕に、お前建築関係の仕事してるらしいな、建設会社か?と聞いてきたので、いや違う設計事務所だと伝えると暫く考えて、えっ、設計してんの、俺丁度今家建てていて竣工したとこよ、もっと早く知ってたら設計お願いしたらよかったな、と言いました。

僕ははじめに書いたように、これからどのように働いて行こうかと考えている所です。そしてこの会話をした時、
そういう事か、と感じました。

話を進める前に、同級生と話をして気が付いた事があります。はじめは分からなかったのですが時間が経つにつれ、普段付き合っている人と、彼ら同級生とは自分も相手もまるで違う感情を持って接しているという風に感じはじめました。
同級生という若く自由でまだ子どもだった時代の友人は、例えば社会人になってから付き合っている友人と比べるとお互い警戒心がなく気を使わずに自然に話ができているという事、また問題を抱えている友人に対しては心から応援したくなるような感情になる事などに気が付いたのです。

普通、仕事は報酬のために会社や個人を相手に行います。仕事を契約通り実行しそれにより会社の経営が成り立ち会社から給与や報酬をもらって社員も役員も生活ができます。

若いうちはその事に疑問を持つ事はありませんでした。働き給料をもらう。そのために時には文句を言われたり怒られたりし、謝ったりグッとこらえるのは仕方の無い事、当然の事と思ってきました。しかし40を過ぎ段々自分で設計自体をするよりマネージメントやクレーム処理、経営などの業務が増え、これから働ける時間があと何年あるのか、あと何棟の建物を設計できるのか意識し始めた時、心を込めた仕事を誰の為にすべきか、限られた自分の時間をどのように使うべきか考えるようになりました。

近藤君の言葉を聞いた時僕が感じたのは、残念、もっと早く会っていたら仕事が取れたのに、ではありません。
折角彼の力になる機会があったのに遅かったか、という感情でした。

つまり僕が探していた、どのように働くべきか、という問いに対する答えの一つは、「大事な誰かのために働く事」なのかもしれない、と思ったのです。

通常の仕事ではなかなかそのように考えるのは難しい事です。ほんの小さなミスを大袈裟に責められ設計料を値切られたり文句を言われたりする事もあります。それはその仕事が契約だけの関係だからではないかと思います。勿論そうではない仕事も沢山ありますが、残念ながら全てではありません。人間関係ではなくビジネスで仕事をしている以上仕方の無い事です。ミスをすればペナルティーが課せられるのは当然ですが全ての評価が0点になるというものではないと思います。

同級生のようにお互いを認め合い、こいつの力になってやりたいと思って心を込める、それに対し、どうもありがとうございました、ではなく、サンキュー!と言ってもらえるような関係の中での仕事にこそ自分の才能と努力を注ぎ込む価値があるのではないか、と感じた訳です。

インターネット社会にあってその恩恵を上手く活用しながら、個人のネットワークでローカルな仕事に打ち込めたらいいな。個人のネットワークの中に頼める人がいたらその人に仕事を依頼する。仕事を与えたり与えられたりできる仕組みができれば、その仕事に感謝し合える可能性があるのではないでしょうか。

そのような恵まれた仕事だけで暮らせるとは思いませんが、自分や友人のネットワークを大切にし、そのネットワークに何らかの形で関係している人のための仕事を1つでも作り合うことができたらいいな、と思います。

そのためには今誰がどこでどんな仕事をしているか、また誰がどんな助けを必要としているか、どんな仕事を誰かに託したいと思っているのかという情報が共有される必要があります。また量を確保したりネットワークを広げていくために友人の友人、友人の親戚など間接的な繋がりも大事になります。
直接の友人ではなくても友人からのRecommendationが有れば、きっと上手く行くのではないかと思います。


ライフマネージメントと設計

今は2015年6月6日23時45分です。今日は土曜でしたが朝から今まで家族との時間、家での仕事、会社の仕事と忙しい日でした。しかしアイデアというものは寝たらすっかり忘れてしまう事がよくあるので、体に鞭を打ってでも今日のうちに書いてしまおうと思います。
今日のテーマ、実はぼんやりとは前々から考えていました。昨日、最近親しくなった銀行マンとお話をしているうちにだんだん考えがまとまってきました。

その銀行マンに前回お会いした時、僕はこんな事をお話ししました。

僕は設計事務所で建物の設計をしています。自分の家も設計し今そこに住んでいます。お客さんの家を設計している時は気が付かなかった事が沢山分かりました。マンションや建売を買う場合と違い注文住宅を建てるには資金を調達するのに多大な時間と労力を使う事、建物の登記や税務所への手続きも面倒で費用もかかります。
いつどんな手続きが必要かまるでわからないまま自分で調べたり銀行に言われる事を言われた時に行うという状況でした。建築費をいくらまでかけるのか、自分のしたい事のうちどれだけを実現しどれだけを将来にまわしどれを諦めるべきか悩みました。
建物が完成し喜ぶのも束の間、住宅ローンの支払い、固定資産税、団体信用保険や火災、地震保険、セキュリティー会社への支払いなど想像以上の家に関する出費が追いかけてきます。今まで多くの方々の家を設計させてもらって来ましたが建主さんのそのような苦労を詳しく知る事もなく、お客さんが提示した設計条件を満足しさえすれば良いと考えていました。でもこれからは設計に取り掛かる前にせめて銀行の手続きくらいはこんな流れでスケジュールはこうなりますとか融資の枠をこんなタイミングで確認しておきましょう、くらいは説明してあげたいので簡単に資料を作って頂けないでしょうか?もし作って頂けたらそれをお客さんにお渡しして説明し、場合によってはそちらの銀行でローンを組まないか検討を勧めますよ、とまぁこんな感じの話でした。

そして昨日、その銀行マンがお願いした資料を作って持って来てくれたのです。

話は更に広がりました。一般的に住宅は生活して行く上で出費の面でかなりのウェートを占めるものです。そもそも住宅を建てるのは家族が幸せに生きて行くためなので、住宅を維持するために苦痛を伴う事は目的に反します。だから住宅を考えるより前にまずライフプランを考えなければなりません。
一体住宅にかける費用、いいえ、住宅に関連するあらゆる事を含めた費用をいくらまでにすべきか、一家の収入と出費をベースに真剣に考えなければなりません。また家族の余暇や趣味のための予算、将来のための預金の枠も確保しなければなりません。そうやって算定した住宅関連予算を工事坪単価で割り算し出た数字が建てるべき建物の大きさになります。
もしその大きさが、自分が住宅に求めている事を盛り込むのに小さ過ぎる場合、何か条件を変えなければ無理が生じる事になるでしょう。収入を増やすのか、習い事を減らすのか、或いは建物の仕様を落とすのか。こんな考え方もあります。駐車場や貸し店舗などを住宅の内外に組み込みそこからの収益をローン返済に充てる。子、孫も住める家にし返済プランを立ててみる。
とにかく帳尻が合うまで自分の求めるライフプランが成立するよう諸条件を調整する必要があります。この作業を設計者が手伝いアドバイスできれば建主にとってこんな心強い事はないでしょう。
こうして納得した上でいよいよ設計の打合せに入って行けば心配がなくスムーズに計画が進むでしょう。また建主は設計者を信頼しアドバイスを聞いてくれるでしょう。
ところが設計者は忙しく、また税などのお金の事は普通専門外なのでそこまでの事を一緒に考えてあげる余裕がないのです。だから税なら税、ローンならローンについて税理士や銀行の専門家と提携しない事には実現が難しい。
という話になりました。

どんな分野もそうなのかもしれませんが、トータルでサポートをしてくれる人や会社って意外といないものです。
優秀な専門家は沢山いるのにお客さんの事を愛情深く、友人のように思い細かい所まで、長い人生の先まで一緒に寄り添い考えてくれる。そんなサービスがあればどんなに感謝されるでしょう?

僕はそれを目指したい。そのためには優秀な専門家を仲間に持つ必要がある、という話でした。

2015年5月23日土曜日

たまには自分の設計の売込み(^^)

先日Airbnbから派遣されたプロカメラマンの写真が追加されました。
気に入らないのは申し訳ないけど、
削除させて頂きました^^;。

また妻の友人に英訳をお願いしました。
英語になると、ちょっとかっこいい。

https://www.airbnb.com/rooms/3621100?locale=en

2015年4月19日日曜日

自宅で仕事をする。

久しぶりに自分の家の事を書こうと思います。

ここの所神戸は雨と風の日が多く、そのせいで桜も例年より早く散ってしまいました。週末も雨模様が続いていて外で過ごす事ができませんでしたが、今日は朝からうんといい天気でした。

仕事は休みだったのですが友人から個人的に頼まれた図面を描く予定にしていたので、外で過ごしたい気持ちを満たしながら描こうと思い、デッキテラスにあるテーブルでやってみる事にしました。
まずは洗濯物と布団をテラスの手摺一杯に干し、ノートPCや資料と珈琲を準備して取り掛かると何とも言えない清々しい気分で図面が描けます。

日頃から仕事で事務所に通う時間と労力が何とかならないものか、家で働けたらな、という願望を持っていたのですが、実際やってみると思った以上に快適でした。

お昼を2階の食堂で済ませテーブルに戻ると太陽が真上近くまで動いてモニターが見辛くなっていたのでデッキに面している和室に移動しそのまま夕方まで設計し完成。会社で同じ事をするより何倍もはかどり良い設計ができました。

テラスや和室に限らずノートPCがあればリビングや食堂、ベッドルームでも図面は描けます。描くことよりも考える事が主ですから頭が冴え集中力が切れない事が大事です。
そよ風が吹いたり鳥の囀りや木の葉の揺れる音が聞こえたり、時々子どもが弾く初歩的なピアノ曲が流れてきたりと仕事に集中しながらも無意識にそのような変化を感じているから心地よいのではないかと思います。
おまけに煙草だって気兼ねなく吸えます。

人によるのでしょうが、僕にとっては自宅で仕事をする事はとても楽しい事です。

2015年1月25日日曜日

「おまえんとこで全部やらんかーい!」方式

最近仕事での営業回りが多くなり、色々な会社の方と話す機会が増えました。
先日は大手デベロッパー会社の再開発や共同建て替えなどを行っている方とお話しました。

このところ、神戸では市営や県営の公共住宅や旧公団が建てた共同住宅の空き家問題や老朽化、耐震問題、入居者の高齢化、それに伴うエレベーター設置工事費の問題、行政の維持費問題など様々な課題について議論されることが増えてきています。一方でアベノミクス以来地価が上昇し始め建設費の高騰で事業者が用地を仕入れるのに苦労しています。

建て替えを行えれば少なくとも上記の課題のいくつかは解決できるのですが現在入居されている方々がおられるため簡単にはいきません。もちろん建築費を誰がどうやって負担していくのかという問題もあります。

お話を聞いた会社は大阪を拠点としていて神戸と同じ課題を抱えているとのことでしたが、大阪府や大阪市のやり方は神戸と違っている、とのことでした。

神戸ではニーズのある地域では建て替え、それ以外は修繕という風に仕分けを行い、建て替える建物の入居者を他の建物に移し工事を行います。ところが住み慣れた場所を離れるのを受け入れられない入居者が多く、市の職員が長い時間をかけて説得や調整をすることが多いようです。

大阪の場合、建て替える建物の敷地内に新しい建物を新築し、そこに入居者を移した後古い方の建物を解体する手法をとっているそうです。(保育園や幼稚園が運営しながら建て替えるのと似ていますね。)

これなら話が早く進みます。また、事業すべてを民間の事業会社に請け負わせるそうです。事業計画、入居者との交渉、建設、購入者募集など全ての業務を民間が行うので行政の負担は軽くスピードが速いそうです。

請け負う事業者は大変ですが、上記の通り今用地を仕入れるのが難しい状況なので利害が一致し積極的に考えることができるわけです。また任せてもらった方がスケジュールもはっきりし、やりやすい、とのことでした。

なるほど…です。

この問題は神戸を含め全国の行政が頭を悩ませている問題です。
大阪の「おまえんとこで全部やらんかーい!」方式、採用検討の価値あり、ではないでしょうか (笑)。