2015年11月26日木曜日

整理整頓について。

僕は割と整理整頓するのが好きな方です。学生の頃から、掃除していないのは我慢できても散らかっているのは嫌なタイプでした。普段から、特に勉強や仕事に取り掛かる時は尚、ささっと片付けるタイプです。

先日事務所を移転したのですが、要らないものを捨て、あちこちに散らばっていた文房具や道具類が出てくると分類し直して新事務所で整理整頓したらとても仕事がしやすくなりました。

僕の父は銀行マンでしょっちゅう転勤があり家族はいつも仮住まいの社宅を転々として来たので家の中はいつも取り敢えず住める程度に片付け、使わない物は次の引越しまでダンボールに入ったままという暮らしでした。

自分の家を設計し住んでみて一番嬉しい事は、色々な物を収納する場所が予め決まっている事です。それまでは収納スペースが足りず、ジャンルが違う物を同じ場所に同居させざるを得ない状況でしたが、今は殆どの物がジャンルごとに決められた場所に収まっています。

それでもジャンル分けしづらい物や細かい物がどうしても収まる場所を限定できていないせいで部屋が散らかってきます。例えば文房具。色んな所にハサミなどの収納場所が動くので探すのに手間取ったりします。またキッチン用品、洗濯用品、掃除用品などは分類のルールが曖昧で片付ける度にどこにしまおうか迷ったりします。

そこで今、家の中にあるあらゆる物を収納する場所が分かるようにデータベースを作っています。
家の中の一つ一つの物をどこにしまうか、間取りや収納の種類場所に関連付け、片付ける時に迷わないようにします。また反対に片付けた物を探す時には、PCで検索すればパッと収納場所が表示されるようにします。

図面も物のリストも一つのExcelデータにして、暮らしながら変化があれば編集し簡単に対応できるように作っています。また今後、仕事で新しく住宅を設計する時に予め物の収納場所を漏れなく用意するためのツールにもなるよう考えています。
設計の時に作ったその家オリジナルのデータベースをお施主さんにプレゼントしてあげてもいいなと思います。
また、今お住いの家を入力し、収納場所を再編成して暮らしやすくするサービスも提供できると思います。

このツールが完成きたら、このブログにアップしようと考えています。




2015年11月1日日曜日

音楽のための建築

今、プロポーザルのための提案書作りを行っています。計画する建物には市民が使える多目的ホールが含まれています。

私は中学の頃から楽器の演奏が趣味になり、その関係で大学で建築を学び専門は建築音響を選択しました。卒業設計では本格的なコンサートホールと山の地形なりに等高線に沿ってステージと座席を設けた屋外音楽広場を設計しました。

就職の際、ゼミの教授が音響を担当している鹿児島のホールが大学卒業と同時にオープンするという事でスタッフを募集していて、そこで音響担当として働くか、設計事務所で音楽のための建築を設計するか迷いました。

まず、鹿児島のホールの地鎮祭に出席し関係者からお話を聞きました。地鎮祭にはホールを設計した有名建築家の槇文彦さんも出席されていました。

関係者の話では当面音響担当として働いた後はどこに配属されるか分からないとの事でそこがどうもひっかかりました。

同時に設計事務所に就職する道も検討しました。調べるとコンサートホールを設計する事に特化した事務所は限られていて、東京に行きそれらの設計事務所をまわってみました。この時九州でお会いした槇文彦さんの建物も見てまわりました。
結局この就職活動の結果は出ず採用はされませんでした。

悩んだ挙句、とにかく初めはどこでもいいから設計の仕事に就き実績を積もうという事になり大学に募集が来ていた建設会社の設計部に就職し5年勤めた後現在の設計事務所に移りました。

今まで100近い建物の設計を行ってきました。しかしコンサートホールなど公共の音楽のための建築について、計画する機会は何度かありましたが実現化されたものはまだありません。もし今回の計画が選ばれたら初めて念願のチャンスが到来する事になります。

プロポーザルチームのミーティングで多目的ホールのモデルにスパイラルホールがあがり驚きました。槇文彦さんの作品です。スパイラルは東京で就職活動を行っている際見た建物の一つでした。正直当時の私にはこの建物のどこがそんなに良いのか理解できませんでした。
http://www.spiral.co.jp/s_rental/download/hall_drawing.pdf
http://www.spiral.co.jp

今回調べるとその建物に入っているホールは可変式で多目的に使え、音響も電気音響で可変という日本では数少ないホールだという事がわかりました。

音楽やイベントなど多目的に使えるホールで成功している事例はまだあまりありません。私自身も音楽を奏でる空間がメカニカルな構造になっている事に違和感を感じています。

しかし今回の取り組みで自分の中にあるその違和感を打破できるような答えを見つけ提案できたら素晴らしい機会になると思い挑戦してみようと思います。