2014年8月9日土曜日

最近感じたこと。

ここのところ、結婚式で東京に行ったり、仕事でグランフロント大阪に行ったりして、最近の商業建築を見て感じる機会がありました。東京では6つ星ホテルのマンダリンオリエンタルに泊まりました。

ここ数年の建築デザインの進歩は目覚ましいものがあります。使われている材料、色、製品がほんの少し前にできた建物と明らかに違います。僕が感じるままを端的に書くと、まるでCGの中を歩いているような気分になります。

空間が設計や施工の段階でコンピューターによってあらかじめ細部まで計算されつくしています。
今まで建築の中に置いてあるのが普通だった映像モニターなどの設備が美しく建築に組み込まれ一体化し、設備が建築そのものになっているのです。

また、アルミ製品が進化を遂げ、これまで費用をかけステンレスでオリジナルを製作していたものが、どんどんアルミの既製品に置き代わっています。

家具や建具なども製作ものから気の利いたデザイン性の高い既製品が用いられ、細くシャープな表情に変わってきました。あるショールームで驚いた事があります。屋内で使う建具の枠は従来木を使うことが一般的ですが、そのショールームでは見付が5mm程のアルミの無垢板を使っていました。びっくりするほどシャープなデザインでした。

LEDの普及・汎用化も予想以上に早く、サインなど今まで無骨だったものが、薄くスッキリとしたデザインに変化していて、サインが建物のインテリアや照明の要素になっています。

パナソニックのショールームのエントランスでは、最新の大きな薄型モニターにセンサーとコンピューターを使い、訪れた人の映像にコンピューターグラフィックスによって描かれた魚がついてくるといった面白い演出がなされていました。

そのような新しい商業施設や街を歩いた帰りに少し前にできた所を通ると1つ1つの要素が古臭く感じられる程の日進月歩。この変化についていくのは大変なことです。

今まである一定規模までの建築の設計は、分業が当たり前の他の製造業での設計と異なり、全ての範囲を1人の設計者がなんとかかんとか把握し組み立てられるという大変さと良さがありました。

しかし最先端の建築においては、まるで自動車を設計するように各部分をその専門家が担い、
建築家はそれを取りまとめる役目にまわらなければ他を超える新しい作品は作れそうにありません。そんな時代に取り残されないよう知識や技術を高めなければ、という気持ちになる反面、そんな事が自分のやりたいことなのか?という疑問も正直抱きます。

技術や文明が進化しどんどんハイテク化していく流れに逆らう訳ではありませんが、CG化した建築物で過ごす事が、我々が扱う「人間」にとって本当に快適で心安らぐのか?という疑問を感じてしまうのは僕だけでしょうか。

以上、 最近感じたこと。 でした。


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