2015年6月7日日曜日

ライフマネージメントと設計

今は2015年6月6日23時45分です。今日は土曜でしたが朝から今まで家族との時間、家での仕事、会社の仕事と忙しい日でした。しかしアイデアというものは寝たらすっかり忘れてしまう事がよくあるので、体に鞭を打ってでも今日のうちに書いてしまおうと思います。
今日のテーマ、実はぼんやりとは前々から考えていました。昨日、最近親しくなった銀行マンとお話をしているうちにだんだん考えがまとまってきました。

その銀行マンに前回お会いした時、僕はこんな事をお話ししました。

僕は設計事務所で建物の設計をしています。自分の家も設計し今そこに住んでいます。お客さんの家を設計している時は気が付かなかった事が沢山分かりました。マンションや建売を買う場合と違い注文住宅を建てるには資金を調達するのに多大な時間と労力を使う事、建物の登記や税務所への手続きも面倒で費用もかかります。
いつどんな手続きが必要かまるでわからないまま自分で調べたり銀行に言われる事を言われた時に行うという状況でした。建築費をいくらまでかけるのか、自分のしたい事のうちどれだけを実現しどれだけを将来にまわしどれを諦めるべきか悩みました。
建物が完成し喜ぶのも束の間、住宅ローンの支払い、固定資産税、団体信用保険や火災、地震保険、セキュリティー会社への支払いなど想像以上の家に関する出費が追いかけてきます。今まで多くの方々の家を設計させてもらって来ましたが建主さんのそのような苦労を詳しく知る事もなく、お客さんが提示した設計条件を満足しさえすれば良いと考えていました。でもこれからは設計に取り掛かる前にせめて銀行の手続きくらいはこんな流れでスケジュールはこうなりますとか融資の枠をこんなタイミングで確認しておきましょう、くらいは説明してあげたいので簡単に資料を作って頂けないでしょうか?もし作って頂けたらそれをお客さんにお渡しして説明し、場合によってはそちらの銀行でローンを組まないか検討を勧めますよ、とまぁこんな感じの話でした。

そして昨日、その銀行マンがお願いした資料を作って持って来てくれたのです。

話は更に広がりました。一般的に住宅は生活して行く上で出費の面でかなりのウェートを占めるものです。そもそも住宅を建てるのは家族が幸せに生きて行くためなので、住宅を維持するために苦痛を伴う事は目的に反します。だから住宅を考えるより前にまずライフプランを考えなければなりません。
一体住宅にかける費用、いいえ、住宅に関連するあらゆる事を含めた費用をいくらまでにすべきか、一家の収入と出費をベースに真剣に考えなければなりません。また家族の余暇や趣味のための予算、将来のための預金の枠も確保しなければなりません。そうやって算定した住宅関連予算を工事坪単価で割り算し出た数字が建てるべき建物の大きさになります。
もしその大きさが、自分が住宅に求めている事を盛り込むのに小さ過ぎる場合、何か条件を変えなければ無理が生じる事になるでしょう。収入を増やすのか、習い事を減らすのか、或いは建物の仕様を落とすのか。こんな考え方もあります。駐車場や貸し店舗などを住宅の内外に組み込みそこからの収益をローン返済に充てる。子、孫も住める家にし返済プランを立ててみる。
とにかく帳尻が合うまで自分の求めるライフプランが成立するよう諸条件を調整する必要があります。この作業を設計者が手伝いアドバイスできれば建主にとってこんな心強い事はないでしょう。
こうして納得した上でいよいよ設計の打合せに入って行けば心配がなくスムーズに計画が進むでしょう。また建主は設計者を信頼しアドバイスを聞いてくれるでしょう。
ところが設計者は忙しく、また税などのお金の事は普通専門外なのでそこまでの事を一緒に考えてあげる余裕がないのです。だから税なら税、ローンならローンについて税理士や銀行の専門家と提携しない事には実現が難しい。
という話になりました。

どんな分野もそうなのかもしれませんが、トータルでサポートをしてくれる人や会社って意外といないものです。
優秀な専門家は沢山いるのにお客さんの事を愛情深く、友人のように思い細かい所まで、長い人生の先まで一緒に寄り添い考えてくれる。そんなサービスがあればどんなに感謝されるでしょう?

僕はそれを目指したい。そのためには優秀な専門家を仲間に持つ必要がある、という話でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿